平成30年9月6日午前3時7分に胆振地方中東部(北緯42.7度、東経142.0度)を震源とするマグニチュード6.7(暫定値)、震源の深さ37km(暫定値)、最大震度7となる地震が発生した。この地震により、北海道において死者42人、重傷31人、軽傷731人、住家全壊462棟、住家半壊1,500棟、住家一部破損12,600棟もの甚大な被害が発生した1)(内閣府、平成31年1月28日時点)。特にこの地震においては土砂災害が多数発生し、土石流等94件、がけ崩れ133件が報告されており、36名の方の命が土砂災害によって奪われた2)(国土交通省、平成31年1月28日時点)。
(公社)砂防学会は、この災害の甚大性、広域性に鑑み、総力を挙げて各地域での災害調査を行い、二次災害防止や応急対策に関する提言、災害のメカニズムに関する基礎データの収集、今後の土砂災害軽減に対する提言などを行うため「土砂災害緊急調査委員会」を設置して、「平成30年北海道胆振東部地震土砂災害緊急調査団」の第一次調査が、9月13日から14日にかけて実施され、また10月19日から21日にかけて第二次調査が実施された。当センターからは第一次調査に斜面保全部の武士部長と総合防災部の田中技師が、第二次調査に大野専務理事(※所属当時)が参加した。
なお、調査団の調査結果は平成30年9月28日に札幌市(北海道大学)及び同年10月25日に東京都(砂防会館)での(公社)砂防学会主催の報告会で報告されるとともに、砂防学会誌3)に掲載されているので、土砂移動等の詳細な実態や考察はそちらを参考にされたい。本稿では第一次調査団及び第二次調査団の活動のうち、当センター職員が参加した主な現地調査の状況について報告する。
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(※こちらは、機関誌『sabo』Vol.125に掲載した内容になります。)