土砂災害(土石流)警戒避難基準雨量

土砂災害(土石流)警戒避難基準雨量

 全国には18万件以上の「土砂災害危険箇所」が存在しており、国土交通省や各都道府県の砂防部局では、これらの土砂災害危険個所に対して砂防堰堤の設置等のハード対策を進めています。
 しかし、全ての土砂災害危険箇所を対策工事によって安全にしていくには膨大な時間と費用が必要になることから、土砂災害による被害の軽減を図るためには、ハード対策と併せて、土砂災害危険区域等の指定、警戒避難を行うための基準雨量等の設定、情報伝達体制の整備、危険な区域への新規住宅等の立地抑制等といったソフト対策を行う必要があります。
 
 土砂災害(土石流)警戒避難基準雨量は、ソフト対策の内、土砂災害の警戒・避難情報を発信する際の一つの目安として設定される雨量のことです。過去の降雨データや災害発生履歴をもとに設定され、大雨による土砂災害発生の危険度が高まったときに各都道府県と気象庁が共同で「土砂災害警戒情報」を発表し、市町村長が防災活動や住民等への避難勧告等の災害応急対応を適時適切に行えるよう支援するための判断基準として活用されていいるほか、住民の自主避難の判断に活用されております。 
 
 土砂災害警戒情報の発表を判断する手法は、これまで「AND/OR方式」と「連携案方式」の2種類が運用されていました。
 「AND/OR方式」は、気象台の「土壌雨量指数」と各都道府県の「土砂災害警戒避難基準雨量」がそれぞれ独自に設定する基準の内、両方あるいはいずれかを上回る降雨が生じると予測される場合に土砂災害警戒情報の発表を判断する手法です。
 一方で、「連携案方式」は、「土砂災害警戒避難基準雨量の設定手法(案)1)」で設定された基準を上回る降雨が生じると予測される場合に土砂災害警戒情報の発表を判断する手法です。この連携案方式は、土壌雨量指数を横軸、60分間積算雨量を縦軸として、過去に災害が発生しなかった降雨のプロットに基づいて算出されるRBFN出力値を基準としてCL(Critical Line)を設定する方法をとります。
 
 各都道府県で発表される土砂災害警戒情報は、「都道府県と気象庁が共同して土砂災害警戒情報を作成・発表するための手引き」に基づき、設定・運用されてきました。この手引きは、平成27年2月(令和元年6月)に改訂され、AND/OR 方式で運用している都道府県も、連携案方式での運用へと移行されています。

土砂災害警戒情報
(連携案方式による土砂災害警戒情報:国土交通省HPより引用2))

1)国土交通省河川局砂防部・気象庁予報部・国土交通省国土技術政策総合研究所(2005):国土交通省河川局砂防部と気象庁予報部の連携による土砂災害警戒避難基準雨量の設定手法(案)
2)国土交通省HP(リンク

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