トピックス

UAV の活用−より詳細で安全な調査のために−

※こちらは、機関誌『SABO』Vol.125の内容を載せております。

◆トピックス UAV の活用−より詳細で安全な調査のために−

1.はじめに
 当センターでは、調査研究にUAV(無人航空機:Unmanned Aerial Vehicle)を活用しています。ここでは、最近の活用事例を紹介します。これらの事例においては、DJI社のPHAMTOM4 PROを使用しています。

(図-1;Phantom4 Proの外観)

2.土石流の実態調査等への活用
 土石流や深層崩壊発生直後の実態調査においては、崩壊地や土砂の流下区間に崩壊残土や堆積土砂が不安定な状態で残存しています。また、崩壊地付近は急勾配であることが多く、拡大・再崩壊等の可能性も考慮すると、現地へ近づくには危険を伴う状況にあります。このような場合では、少し離れた場所からUAVで崩壊地周辺の状況を写真撮影することにより、調査の効率化と二次災害等の事故リスクの低減図ることが出来ます。

(図-2;UAVで撮影した崩壊地(平成28年台風16号に伴う土砂災害の発生後に撮影(鹿児島県 境川)))

3. 河床材料粒径調査への活用
 UAVにより撮影した空中写真は、専用のソフトウェアでSfM処理(Structure from Motion) することで、3次元形状の再現やオルソフォトの作成に利用できます。
河床材料を撮影した空撮画像からオルソフォトを作成し、さらに静止画から粒径の形状を把握して表面粒度分布を求めるソフトウェアを用いることで、簡易的に粒度分布を計測することができます。このような方法により、河道での踏査が困難な箇所における粒度分
布を把握できます。

4. 立ち入り規制区域における調査への活用
 平成30年1月23日に、草津白根山の本白根山で噴火が発生しました。この噴火では、3 箇所の火口(列)から火山灰および噴石が放出されました。これらの火山灰は、融雪出水等により二次移動する可能性があり、また本白根山周辺は立ち入り規制のため、有人での調査
による火山灰の移動状況や残存範囲の把握が困難でした。そこで、UAVを用いた調査を実施し、写真判読により火山灰の残存状況やその範囲(灰色に見える範囲)を把握しました。このように、立ち入り規制区域等における調査でもUAVを活用しています。

(図-3;UAVによる斜め写真(平成30年4月に撮影、火山灰の残存範囲を把握した))

5.施設設計への活用
 国立公園等における砂防施設整備では、景観への配慮が求められます。砂防施設の設計段階において、UAVにより施設整備予定地の空中写真を撮影し、砂防施設のモンタージュ画像を作成することで、景観への影響把握に活用しています。

6.おわりに
 昨今UAVの様々な分野への利用が試みられ、急速に実用化が進んでいます。砂防分野でも、導入の容易さや、映像による状況把握の即時性から多く用いられつつあります。当センターでも、利用分野の拡大も含め、活用を進めていきます。

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