一般財団法人 砂防・地すべり技術センター組織図

各部で行っている調査・研究
砂防部

砂防に関するハード・ソフト対策、鋼製構造物に関する調査研究を行っています。


1. 砂防基本計画に関する調査
  砂防流域において、過去に発生した土砂移動の実態について時間的・空間的スケール含めて把握した上で、今後想定される土砂移動のシナリオを検討し、保全対象に及ぼす影響が大きいものを計画対象現象として設定し、その現象による水系全体に対する問題を解消するための計画を検討しています。検討にあたっては、一次元河床変動シミュレーション等を用いて検討を行い、砂防事業の効果を定量的に評価します。
 また、貯水池上流の砂防事業や、土砂生産源対策等、様々な目的を有する砂防計画について調査・検討し、整備計画の考え方についても提言しています。

2. 流域総合土砂管理に関する調査
 流域の最上流の山地渓流から下流の河口や海岸までの土砂が移動する領域を流砂系と定義されています。この流砂系内で生じる土砂移動に起因する山地渓流での土石流や河床上昇による土砂・洪水氾濫、ダム貯水池の堆砂によるダムの治水・利水容量の減少、河床低下による人工構造物の基礎部損傷、海岸侵食等の問題が顕在化したことから、流砂系全体の適切な土砂動態のあり方や効率的な対応が必要になっています。
 当センターでは、流砂系一貫とした流域総合土砂管理を実施するために必要となる流砂系全体の土砂生産(侵食)、輸送、堆積などの土砂移動実態を把握するために、流砂系全体を視野においた砂防領域における土砂生産・流出・モニタリング計画およびその解析等の調査を行っています。

3.土砂災害ソフト対策に関する調査
 土砂災害を防止、軽減するためには、構造物によるハード対策に加え、警戒避難などのソフト対策を合わせて実施していくことが必要です。
 当センターはこのような土砂災害ソフト対策に関する調査として、土砂災害警戒避難基準雨量の検討のみではなく、災害発生時における警戒避難に関するヒヤリング調査のノウハウとデータを保有しています。これらのノウハウ・データを活用して、ソフト対策全般について調査・検討し、実現に向けた提言を行っています。
 また、自治体における避難勧告の判断支援として、これまでの雨量情報に前兆現象情報を加味した判断支援システムを独自に開発しています。このシステムを活用することで、避難勧告における判断の高度化が期待できます。

4.災害実態・原因解明に関する調査
 当センターは、これまでも平成8年12月蒲原沢土石流災害、平成9年針原川土石流災害、平成11年6月広島県土石流災害、平成15年7月熊本県水俣市集川土石流災害、平成16年福井豪雨災害、平成16年台風災害、平成17年台風14号災害、平成18年7月豪雨災害(長野県岡谷市周辺)など、大規模かつ広範囲の土砂災害について、その土石流の発生原因とメカニズムの分析、土石流対策の基本方針、警戒避難体制のあり方、砂防施設構造等を検討する土石流災害対応業務などの調査・検討を行っております。
 梅雨前線や台風などによる局地的な豪雨に起因する土砂災害が毎年のように発生しています。当センターは国や自治体の要請によって、迅速な調査、検討委員会等の設置・運営の支援をいたします。


斜面保全部

地すべり、斜面崩壊に関するハード・ソフト対策の調査・研究を行っています。

1. 地すべり・がけ崩れ機構解析
 大規模で地すべり機構が複雑な緊急性を要するような地すべり、また、既往の施工例を参考とすることができない、あるいは特殊な技術を必要とするようながけ崩れについての機構解析を行っています。
 人家裏の地すべり、活動が活発化すれば河川を閉塞しかねない治水上大きな被害を与えうる地すべりの他、道路計画に関連する地すべりやダム湖周辺の地すべり等、その対応が技術的に困難な地すべり対策についても、調査を行っています。
 また、大規模な地すべり現象が活発化し、住民の避難や応急対策の実施が求められる緊急時に際しては、国・地方公共団体の要請により技術的な支援をしております。
 そのほか、二次災害防止・応急対策工計画の策定のための調査検討を行います。

2. 地すべり・がけ崩れ対策検討
 地すべり・がけ崩れの対策を効果的、且つ経済的に実施するには、機構解析結果を踏まえた総合検討を実施したうえでの対策工計画の立案が必要となります。「地すべり・がけ崩れ対策検討」は、直轄地すべりをはじめとした全国各県で発生した大規模な地すべり・がけ崩れ災害に対する、効果的かつ経済的な対策計画を立案するものです。
 近年直轄化された芋川流域地すべり、由比地すべりをはじめとした全国各地の直轄地すべりの地すべり防止工事基本計画策定、並びに各県の大規模且つ複雑な機構をもつ地すべり・がけ崩れ災害における対策立案のお手伝いを実施いたしました。

3. 地すべり地震対策検討
 平成16年に発生した新潟中越地震以降、地震時の地すべり発生がクローズアップされました。地震時の地すべり対策は、これまでの地すべり対策の考え方を踏まえながらも、地震時にどのような現象が発生するかを想定した上で効果的な対策工計画を検討・策定しなくてはなりません。
 「地すべり地震対策検討」は、今後大規模な地震が想定されている地すべりに対する、効果的かつ経済的な対策計画を立案するものです。
近年直轄化された芋川流域地すべり、由比地すべりについて、現在地震を考慮した直轄地すべり防止工事基本計画策定のお手伝いを実施しております。


総合防災部

火山砂防に関するハード・ソフト対策の調査・研究を行っています。

1.火山砂防計画に関する調査研究

火山の噴火実績や土砂移動現象などの過去の土砂移動実績調査をもとにして噴火時に発生する現象やその規模を想定し、数値シミュレーション等により火山災害予想区域を設定します。これに基づいて砂防施設配置計画や監視体制などを含む火山砂防基本計画を策定します。
(1) 噴火対応火山砂防基本計画(ハード対策)の検討
(2) 火山砂防基礎情報システムの検討

2.火山ハザードマップに関する調査研究

火山の噴火形態は火山ごとに異なります。そこで火山ごとの性質を活かして、住民に判りやすいハザードマップや火山防災ハンドブックを検討・作成します。
 また、火山噴火時の火口位置の変化や地盤変動などに対応したリアルタイム・ハザードマップを検討し、実務で運用できるシステムを構築します。
火山災害はめったに起こるものではないので、山麓に生活する住民に正しい知識と防災の心構えなどを理解してもらうことが大切です。火山防災のための啓発手法の作成や説明会開催などの支援を行います。
(1) 火山防災マップの検討
(2) リアルタイム・ハザードマップの検討
(3) 火山防災啓発手法の検討

3.火山噴火緊急減災対策に関する調査研究

 国土交通省砂防部では、実際の噴火災害とそれにともなう土砂災害に応急・緊急的に対応するため「火山噴火緊急減災対策砂防計画ガイドライン」を策定しました。STCは豊富な火山砂防計画策定実績や雲仙普賢岳、有珠山、三宅島などの噴火時の緊急対応実施実績に基づいて、各火山の緊急減災対策を検討します。本計画の基礎となる火山噴火シナリオについて、火山や砂防の学識経験者らからなる検討会等を設置して検討します。 さらにこれらの計画の実効性を確認するための、火山噴火対策ロールプレイ演習について、噴火シナリオに基づく演習シナリオ等の計画策定と演習実施を支援します。
(1) 火山噴火緊急減災対策砂防計画の検討
(2) 火山噴火シナリオの検討
(3) 火山噴火対策ロールプレイ演習計画の検討と実施支援

4.火山噴火警戒避難対策に関する調査研究

二次災害を軽減するため、火山噴火時の土砂移動監視システム計画を火山の噴火特性や地域の実情に合わせて策定します。また、有珠山や三宅島での実績にもとづき、噴火直後の降灰の影響を考慮した土石流発生基準雨量の設定、情報伝達システムの構築や新たな手法を用いた危機管理演習計画などのソフト対策の支援をいたします。
(1) 火山災害監視システム計画の策定
(2) 降灰後の土石流警戒避難基準雨量の検討
(3) 火山噴火に対する防災対応策の検討

5.GIS上のDBと連動した数値シミュレーションシステムの開発(自主研究)

STCでは砂防計画検討支援アプリケーションとして、J-SASならびにNew-SASSプログラムを開発してきました。とくに火山砂防計画検討の場面では、火砕流・溶岩流・火山泥流などの影響範囲を想定するのに有効なツールです。
また、GIS上で一貫した操作により数値シミュレーションを行うための種々のプログラムを開発し、一連のシステムとして活用する準備を進めています。
本システムは、噴火対応火山砂防計画の詳細検討や噴火シナリオに対応した火山ハザードマップの作成、火山噴火緊急減災対策砂防計画の対策ドリルの検討などに活用できます。その他、火山噴火時における砂防部局の対策を主眼としてこれまで行われてきた火山ロールプレイ演習時の、緊急時のリアルタイム・ハザードマップ作成ツールとして利用ができます。


砂防技術研究所

砂防技術を向上させるための調査・解析に関わる基礎技術や応用技術、新しい工種・工法の開発研究などを自主研究として行っています。

1.土砂移動現象の評価に関する研究
 砂防計画の策定や事業効果を検討するためには、数値計算システムを用いて的確に再現・予測し、定量的に評価することが求められます。このため、土石流・泥流・火砕流・溶岩流といった土砂移動現象の実態把握と、それらの現象ごとに数値計算を行い、その結果と実現象との照査による課題検討、ならびにシステムの高度化をめざした研究を行います。

2.土砂動態の把握に関する研究
 流砂系における適切な土砂管理を行うためには、流域における土砂移動現象を的確に把握することが不可欠です。そのため、実際の河川における流砂の量及び質(粒径)を観測するための流砂捕捉装置を開発し、流砂量観測を行ないます。得られた観測結果を分析・評価することにより、流砂系における土砂管理手法について研究を行います。

3.新工法や鋼製砂防構造物に関する研究
 より効率的な砂防事業の執行に資するため、砂防施設の的確な効果評価を行うとともに、近年、普及し始めた砂防ソイルセメントなどの新たな設計・施工手法の研究を行っています。また、鋼製砂防構造物の構造、機能及び設計合理化のための研究や鋼製砂防構造物設置後の追跡調査等を実施し、得られた知見を基に鋼製砂防構造物の計画・設計手法の合理化に関する研究を行っています。

4.土砂災害データベースに関する研究
 土砂災害の予測、効果的な対策計画に役立てるため、既往災害を収集し土砂災害データベースに蓄積しています。このデータを分析することにより、近年の災害動向の把握や危険箇所の評価などに関する研究を行っています。

5.GIS上のDBと連動した数値シミュレーションシステムの開発
 当センターでは砂防計画検討支援アプリケーションとして、J-SASならびにNew-SASSプログラムを開発してきました。とくに火山砂防計画検討の場面では、火砕流・溶岩流・火山泥流などの影響範囲を想定するのに有効なツールです。
 これらの数値シミュレーションをGIS上で一貫的に操作するため、種々のプログラムを開発し、一連のシステムとして活用する研究を進めています 。

企画部

国際、研修、研究開発助成等に関する企画調整を行っています。


1.国際技術協力
 海外での砂防技術指導等のための職員派遣、海外からの研修員の受入れ指導、国際協力機構が実施する海外技術協力研修事業の受託、国際会議への参加や各国との技術交流等を通じて、砂防の国際技術協力を進めています。

2.研修等事業
 砂防技術者のための講習会の実施、砂防技術講演会の開催、国や都道府県主催の研修や講演会への講師派遣などを通じて、砂防技術の移転、普及を行っています。

3.広報事業
 機関誌「SABO」の発行、砂防に関する資料の収集および提供(「土砂災害の実態」の発行など)、等、砂防技術の広報活動を進めています。

4.研究開発助成事業

 大学等の研究機関に対して、公募による研究開発助成を進めています。その成果については、研究発表会や機関誌を通じて公開しています。

5.建設技術の技術審査・証明事業

 平成13110日に設立された「建設技術審査証明協議会」(14団体)の一員として、砂防技術に係る審査証明を実施しています。


総務部


総務、契約、経理に関する下記の業務を行っています。


1. 当センターの業務の連絡及び調整の総括に関すること
2. 役員会等の運営に関すること
3. センターの組織に関すること
4. 職員の服務、人事、給与及び福利厚生に関すること
5. 総括的な渉外に関すること
6. センターの事務所の管理に関すること
7. 受・委託事業等に係わる連絡・調整及び契約に関すること
8. 収支予算及び収支決算に関すること
9. 資金計画・資金運用及び財産管理に関すること
10. その他
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